現在、コロナウイルスによる自主的自粛措置継続中で、あまり遠くにお出かけできません。この期間を利用して、過去に行った世界遺産について書いてみようと思います。この旅は、かつてドイツに勤務していた2004年5月に行ったものです。

アイフェル地方へ 2004,5,22

 昇天祭を含む4連休の後半、アーヘンの大聖堂を見に行きました。途中、モーゼル川北部のアイフェル地方の名所に立ち寄ります。

 午前7時半出発。高速道路でコブレンツに向かい、そこから少し走ったところにある「エルツ城」が最初の見所です。この城は、中世から実に800年以上城が陥落したことがなく、今でもその家系が続いているのだそうです。山の中にぽつんと建つ名城です。高速を降りてから、茶色い土壁の街並みをいくつか通過し、祭りのために回り道をしながら9時半に駐車場に到着。20分ほど歩いて、ようやくエルツ城に着きました。

エルツ城。外観が美しい。

 城の中は案内人がついて説明する「ツアー」です。ガイドのおねえさんとは、「英語わかります?」「いえ、日本語のみです。」「すみません、日本語では説明できないんです。」「気にしないでください。がんばって聞きますから。」という会話の後、ツアーが始まりました。説明がわからないのも、もう慣れっこです。(悲しい慣れだな・・・)途中娘2が「おしっこしたい・・」と言い出した時にはひやひやしたけれど、まずは無事にツアー終了。おしっこをしてからコーヒーとココア(カカオと書いてあった。ショコラーテと同じもの)でひと休み。1時間半ほどで城を後にしました。この城の良さは、何と言っても外から見たときの素晴らしいさです。正直いうと中はまあまあという感じでしたが、山道を歩いて最初に見えた時は感動しました。

 エルツ城を出発し、次はラーハ湖畔にある「マリア・ラーハ修道院」です。ラーハ湖に到着し、まずは駐車場で昼食。(文章にすると変だけど、これも我が家では日常の風景。)今日はチラシ寿司。お金もかからないし、美味この上ない昼食です。(朝は途中の休憩所でサンドイッチ、昼は見学地周辺でごはんの弁当、というのがパターンになりつつある。)

いつもの昼食風景。
これで十分満足。

 昼食後、自然博物館を経由し、いよいよ「マリア・ラーハ修道院」へ。修道院といっても、観光地化されていておみやげ物屋からレストラン、ホテルまであります。もちろん、いまでも修道士たちが修行を積む場所であることには変わりがありませんが、一帯は華やいだ雰囲気があります。まずは20分の説明ビデオを見て体を休め、教会を見学、そして、花屋を見てきました。修道士の中に花作りの名人がいて、ここの花を買うためにたくさんの人が訪れるのだそうです。

マリア・ラーハ修道院 。花屋さん併設。
この一帯は火山活動が盛んらしい。

 マリアラーハ修道院で、今日の予定は終了。でも、もう一ヶ所見学することに。途中の自然博物館でもらったパンフレットによれば、この一帯は火山の跡がたくさん残る場所で、火山や地質の展示がたくさんあると書いてありました。その中の「火山インフォメーションセンター」に行ってみる事にしました。インフォメーションセンターでは、簡単な展示を見て、火山説明のビデオを見ておしまい。エルツ城で一緒だったスイス人と又ばったり会い、「オーオー。」と会話にならない会話をしたくらいでしょうか。もう一ヶ所「柱状節理」という形状のたぶん玄武岩か安山岩の穴を見ようとしましたが、すでに4時をまわり、閉じておりました。これで本当に今日の見学はおしまい。4時半にラーハ湖付近を出発し、アーヘンに向かいます。明日はアーヘンの大聖堂を見学するため、アーヘンにお泊りです。(お泊りは久々で、ちょっとドキドキします。)高速を北西に進み、6時前にはアーヘンに到着。(ここは、油断するとオランダに入ってしまうので注意が必要です。実は最初に予約したホテルがオランダにあることに前日気づき、急遽キャンセルし、予約しなおしたのでした。)

 三つ星の「ブッシュハウゼン」というホテルは、立派とは言えないけれどユースよりは布団がふかふかで、まずはOKです。パターゴルフもできて、娘1と娘2は楽しかったようです。夕食は持ってきたカップラーメンと野菜サラダ。早朝からあちこち回って外食ゼロの一日が終わりました。

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ホテルで自炊。
わーい、パターゴルフある。

アーヘン大聖堂 2004,5,23

 アーヘンの町に前日の夕方到着し、ホテルで快適な夜を過ごした翌朝。このホテルは朝食料金が別で、一人13ユーロもするので、家から持ってきたクロワッサンとハムとチーズで済ませました。午後9時にチェックアウト。しかし、請求金額は130ユーロを超えている!全部で80ユーロ程度のはずなのに。

「ネットでは1部屋40ユーロの筈だ。」「その通り。でも、朝食料金が別にかかるのだ。」「でも、朝食は食べていない。」「朝食食べてないのね?わかった。それじゃあ80ユーロでいいよ。」と交渉成立。ホテル側も「朝食をとらない客」という存在が想定外だったようです。チェックインの際にフロントも「部屋40ユーロだけど、朝食別だからこの値段だよ。」と言ってくれれば助かるし、こっちも「明日は朝食いらないからね。」と一言言っとけばよかったなあと、それぞれ反省点がありそうです。危うくむりやりもう一回朝食をとるところでした。(食べてないのにお金だけ取られるのはくやしいもんね。)

ホテルに駐車場はなく、路上駐車で対応。

 車でアーヘンの町に入り、すぐに大聖堂へ。しかし、大聖堂はミサが始まるところで、一般の観光客は入れません。そこで、開いているパン屋さんでコーヒーを飲みながら時間調整。それから先に宝物館を先に見ることにしました。それにしてもこちらの入場料体系は子供に優しいものです。大人一人2.5ユーロが、ファミリー券(大人二人に子供3人まで)が4.5ユーロなのです。大人二人の場合ファミリー券は買えないのか質問したくなりますが、質問もできないし、答えてもらってもわからないので、おとなしく券を買います。中は、カール大帝がらみの聖遺物(骨やら髪の毛やら)がガラスのケースに収められていました。最初は「きれいな箱だなあ。きれいな飾りだなあ。」としか見えなかった宝物も、最近はその中のガラスの部分に目がいき、「歯が入ってるよこれ。」「これはどこの骨かなあ。」と話し合うようになりました。だいぶ勉強しましたが、知らない方が気持ちよく見学できたのは確かです。

アーヘン大聖堂。これがドイツ世界遺産1号なのね。

 宝物館を出て、市庁舎(これも大変立派!)を先に見ようとしたけれど、残念ながら市庁舎は休み。そこで、近所で見つけた中華料理屋で早い昼食。これが今回の旅初めての外食です。全部で12ユーロちょっと。どこまでも金のかからない家族です。(ここで食べたバナナのフライは美味じゃった。)

アーヘンの街。

 開いているおみやげ物屋や近くの教会で時間をつぶし(娘2は、教会の紙に「犬が飼えますように。」と願いを書いていた。その願いは15年過ぎた現在も叶えられていない。)、ようやく一般観光客が入れる12時半になりました。アーヘンの大聖堂は、ユネスコ世界遺産にドイツで最初に登録されました。つまり、「ドイツで一番価値があり、後世に残したい遺産だ。」とドイツ自身が感じ、ユネスコもそれを認めたことになります。カール大帝が9世紀に建てて以来、30人の皇帝が戴冠式を行なった歴史的な場所なのです。(ちなみに、その後はフランクフルトの大聖堂が戴冠式場になっている。)今までたくさんの大聖堂を見てきましたが、アーヘンの大聖堂の内陣が一番立派でした。大きさなら、他にたくさんの聖堂があるけれど、中のモザイク模様や天井画など、他には見られない素晴らしさです。娘1と娘2は、いつものようにローソクに火をつけました。(ローソクに火をつけるためには、そばの箱にお金を入れることになっている。しかし、金を払わずどんどんローソクに火をつけてる少年がいた。彼は信心深いといえるのだろうか。それともばちあたりなのだろうか。)

大聖堂内部は暗くて、写真はほぼ全滅。唯一ぶれなかったのが、これ。

 待ちに待って見学した甲斐がありました。素晴らしい大聖堂を後に、車は一路フランクフルトへと向かうのでした。帰りはおよそ230キロ。途中休憩しながら4時半には無事家に着きました。(今回の1泊2日の旅行中、子供は後ろの席でゲーム三昧だった。目と頭は大丈夫だろうか・・・。)

原発動いてるな。(2020年時点で、閉鎖してるはず。)
途中の道で。
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